クラレ

クラレ<3405.T>は新春高の有力候補になる。「業績」「テクニカル」「需給」の総合評価から、水準訂正高の期待を秘めている。

 12年3月期連結業績予想は、売上高3900億円(前期比7.4%増)、営業利益600億円(同13.0%増)と2期連続の最高利益を狙う。期初計画に対し、売上高を下方修正(利益は据え置き)したが、これは業績予想の前提条件を変更したため。想定レートを1ドル=77円(期初は82円)、1ユーロ=105円(同115円)と円高方向に見直した。一方で、国産ナフサ価格を1キロリットル=5万円(同6万円)に引き下げた。為替対応とともに、ナフサ価格の調整次第では利益を下支えする。

 すでに一部報道によれば、第3四半期累計(11年4−12月)業績は440億円程度(前年同期は395億4600万円)になり、同期間の最高益を更新するもよう。食品包装材向け機能性樹脂などが堅調に伸びているためで、収益面での不安はない。

 チャート上では、11年10月4日の直近安値988円を起点に、小幅な下値切り上げの動きながら、12月28日には日足一目均衡表上の抵抗帯「雲」上限を再びクリア。三角もちあい形成の流れでもあり、先行き出直り足を強める可能性がある。ちなみに、PBR1倍超だが、PERは12倍台にすぎず、年間配当利回りは3%に達する。

 需給動向もポイントのひとつ。22日申し込み現在の信用取引残高は、買い残43万6400株に対し、売り残59万4800株。このクラスの銘柄では厚みはないものの、売り長状態を保っている。しかも、株券等貸借週末残高(22日報告分)では、カラ売りにつながる貸付残高が有担保・無担保合計で314万株に上り、需給妙味はくすぶったままである。

[ 株式新聞ニュース/KABDAS−EXPRESS ]
提供:モーニングスター社 (2012-01-04 10:01)